手宮線

  手宮線は1880年に開業した北海道最古の国鉄線であった。かつては幌内をはじめとする石狩炭田から産出する石炭を集積し、手宮から本州に搬出が行われていた。
 膨大な石炭を搬出するため、手宮貨物駅からは、7階建てのビルの高さに相当する巨大な高架桟橋が海に突き出し、石炭列車はここに運ばれ、輸送船への積み替え作業が急ピッチで行われていた。
 (戦時中に解体された) 1962年に旅客営業を廃止した手宮線はその後も貨物線として活躍したが、1985年に廃止された。
 廃線跡は、現在では小樽市によって整備・管理され、線路も残されたまま、気持ちの良い散歩道となっており、管理人もときどき遊びに行く。小樽市の美しい街並みによく合う。また、旧手宮駅跡は、小樽市総合博物館となっており、転車台や機関庫も保存された充実した設備となっている。博物館内には、かつての手宮駅周辺や、手宮高架桟橋のジオラマをはじめ、ファンには興味深い展示が多い。

 父の撮影は1970年内に複数回行われている。メインターゲットは、入れ替えで使用されていたC12である。C12は支線への投入を目的に製造された軽量機であるが、このころは手宮の入れ替え用でしか見ることはできなかった。写真4の1933年製C126は、現在小樽市総合博物館で静態保存の上、展示されている。

 左図は、国土地理院発行5万分の1地形図1978年編集 「小樽東部」から、手宮付近



1 C1238

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4 C126

5 C1238

6 C1238

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10 C1264 後方の工場は今もある

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16 C1264

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24 西部詰所の踏切

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26 手宮西部詰所

27 C1264

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32 C126

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35 広告に「都通り」の字が見える

36 市街地を通る手宮線

37 C126

38 C126

39 C126


 1961年1月の手宮線の時刻表。この年の10月のダイヤ改正で旅客列車はわずか2往復に減り、翌1962年5月15日に旅客営業が廃止され、貨物専用線となった。 
 現在、廃線跡は、ほとんど線路を残したまま公園化されており、色内駅跡には駅を模したモニュメントが建てられている。



北海道拓殖100周年 7100型蒸気機関車


 1880年、幌内鉄道開業時に投入されたのはピッツバーグのH. K. ポーター社製の蒸気機関車で、いわゆる「7100形蒸気機関車」である。1889年までに8両が投入され、そのうち7101は「義経」、7106は「しづか」と称した。これらの幌内鉄道最初期の蒸気機関車は1915年から1924年にかけて廃車となったが、そのうち義経号はにさいたま市の鉄道博物館で、しづか号は小樽市総合博物館で保存されている。(機番の正統性については諸説ある) 。
 以下の写真は、1954年の動態復元を経た両機が、1968年の北海道拓殖100周年を記念して、手宮の北海道鉄道記念館で開催された再会イベントの際のものである。

注:2019年3月9日追記
 当記述について、サイトをご覧いただいた方から、以下のご指摘をいただきました。

手宮の北海道鉄道記念館で……との説明がありますが、 当方の私見ではこれは苗穂工場ではないかという気がします。
・手宮にしては広々し過ぎているように見えること
・手宮にある石炭積み出し関係の施設・建物が見えないこと
・ 「40・41」で背景の山並みが手稲山とその周辺に見えること
・ 「54」でしづかの背後に見えるレンガ積みの建物は、 現在の苗穂工場で「鉄道技術館」となっている建物に似ていること
・ 「53」でしづかが入る機関庫は、手宮にあるものとは違うこと
などがその理由です。

1968年の時点で、手宮に保存されていた「しづか」をわざわざ苗穂に運んだとは 意外な気がしますが、イベントに向けたものだったのかと推察します。 また説明文に関しては、義経としづかの復元が行われたのは1952年(鉄道80周年の年)、 (“動態”は義経のみ) また現在、義経が保存されているのは「京都鉄道博物館」です。 (さいたま市にあるのは弁慶)

 貴重なご指摘をありがとうございました。また、事実関係の不正確な記事であったことをお詫びいたします。
 あらためて、一連の写真を見る限り、確かに場所は手宮ではないように思われます。訂正の意味も含めて、当ページで掲載を継続させていただきますが、関連情報等お持ちの方、いらっしゃいましたら、ぜひ追加の情報提供をよろしくお願いいたします。



40 式典に参加したD5175

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42 義経号としづか号

43 補機C122の姿が見える

44 義経号としづか号

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46 7101 義経号 

47 義経号

48 義経号

49 義経号

50 義経号

51 義経号

52 しづか号

53 しづか号

54 しづか号