札幌市電
1972年に札幌で冬季オリンピックが開催され、これに併せて地下鉄南北線が開通したが、これを機に町並みは一気に風情を失っていった。定山渓鉄道が廃止され、市電の路線も続々と廃止されていった。 市電の撮影は1970年から75年までの6年間にまたがっているが、これは市電路線が続々と廃止されていった時代である。 本ページには、1970年代初めの路線図を載せたが、これが1974年には、現存路線を除いてすべて廃止になった。最盛期には、新琴似、札幌、桑園、苗穂の4駅で国鉄線と、豊平で定山渓鉄道と接続し、札幌の交通をまさに体系化していた路線網は、寸断された。 |
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1970年代はじめの札幌市電路線図(国土地理院発行5万分の1地形図「札幌」 1971年編集 に加筆) |
当時の路線系統 | |
1系統 | 一条橋 - 丸井前 - 西4丁目 - 医大病院前 - 長生園前 - 円山公園 |
2系統 | 北24条 - 札幌駅前 - 三越前 - すすきの - 静修学園前 - 教育大学前(現:中央図書館前) |
3系統 | 医大病院前 - 長生園前 - 中央市場通 - 札幌駅前 - 三越前 - すすきの - 豊平8丁目(旧:豊平駅前) |
4系統 | 苗穂駅前 - 道庁前 - 三越前 - すすきの - 静修学園前 |
7系統 | 新琴似駅前 - 北24条 - 札幌駅前 - 三越前 - すすきの |
8系統 | 三越前 - すすきの - 静修学園前 - 教育大学前 - 西線16条 - 交通局前 - 西4丁目 - 丸井前 |
臨時2系統 | 北24条 - 札幌駅前 - 三越前 - すすきの - 静修学園前 |
臨時3系統 | 札幌駅前 - 中央市場通 - 長生園前 |
臨時7系統 | 北37条 - 北24条 - 札幌駅前 - 三越前 - すすきの |
臨時7系統 | 北27条 - 北24条 - 札幌駅前 |
臨時8系統 | 丸井前 - 交通局前 - 西線16条 - 教育大学前(現:中央図書館前) |
臨時8系統 | 西4丁目 - 交通局前 - 西線16条 |
廃止の過程 | ||
1971 | 西20丁目線 | 中央市場通 - 長生園前 |
北5条線 | 札幌駅前 - 桑園学校前 - 中央市場通 | |
苗穂線 | グランドホテル前 - 苗穂駅前 | |
豊平線 | すすきの - 豊平駅前(豊平8丁目) | |
鉄北線 | 札幌駅前 - 北24条 | |
1973 | 一条線 | 一条橋 - 西4丁目,西15丁目 - 円山公園 |
1974 | 鉄北線 | 北24条 - 麻生町 - 新琴似駅前 |
鉄北線は「鉄道(函館線)の北側」に向かう唯一の線路。上に示した路線図でも、北側に特徴的に単独で伸びている。札幌の町は函館線の南側に中心街があり、北側は開発、発展が遅れたが、鉄北線界隈のみは、古くから大きな商店街などが形成されていた。鉄北線は「西5丁目(北大通)」を通っていた。現在の地下鉄南北線は1丁だけ東の「西4丁目」の地下を通っており、函館線の北側は、鉄北線の路線に沿う線形を示していることになる。 鉄北線があったころ、札幌市内の国鉄線は高架化されていなかった。そのため、鉄北線は、方向を北に向けるとすぐ「西5丁目陸橋(単に「おかばし」と呼ばれることが多かった)」により、函館線を越えていた。この陸橋には、札幌市電には珍しく、軌道専用部分が設けられていた。陸協に侵入する際、市電は道路中央から端までその進路を変更し、専用部分に進入した。この陸橋の様子を示したのが、写真17-21、23-26、29、46、48、49、51、前後の進路変更部分を示したのが、写真15、22、27、39、50になる。 |
北24条車庫(幌北車庫)
北24条にあった市電車庫 5万分の1地形図「札幌(1971年修正)」より 北24条の車庫が、左のように描かれている。 現在、この車庫跡は、サンプラザホールとなっている。 |
山鼻線
71 |
72 行啓通付近 |
73 行啓通付近から南方向を望む |
74 東本願寺前の2段カーブ 1971年7月 |
75 1971年7月 |
76 1971年7月 |
77 1971年7月 |
78 1971年7月 |
79 1971年7月 |
80 1971年7月 |
81 1971年7月 |
82 後方の建物は現在、NTT物流センター |
83 |
84 |
85 |
86 |
87 ヨークマツザカヤはロビンソンを経て、現在はススキノラフィラ |
88 有名なススキノ交差点 |
89 すすきの |
90 すすきの |
91 (訂正)当写真は一条線でした。西4丁目停留所。後方に三越 |
92 |
93 南9条西7丁目 |
94 南9条西7丁目 |
95 |
96 |
97 すすきの |
98 すすきの |
99 静修学園前より行啓通方向 |
100 行啓通付近から北方向を望む |
101 |
102 東屯田通 |
103 建築中のマンションはコープマンション第5 |
104 |
105 静修学園前付近 |
106 |
107 東屯田通、北海道教育大学の敷地側から |
108 |
109 M101号車は2017年現在も活躍 |
110 M101号車 |
111 |
112 藻岩山に向かって |
113 東屯田通停留所 |
114 |
115 |
116 |
117 |
118 |
119 幌南小学校前 |
120 |
121 教育大学前 |
122 南16条西7丁目付近 |
123 南16条西7丁目付近 |
124 南16条西7丁目付近 |
125 南16条西7丁目付近 |
126 南16条西7丁目付近 |
127 南16条西7丁目付近 |
128 山鼻9条付近 |
129 南4条西5丁目 |
130 創成小学校前 |
131 |
132 資生館小学校前のカーブ |
133 資生館小学校前のカーブ |
1971年7月に撮影された一連の写真は、父が知人からシグマ500mmを借入し撮影したもの。「解像度の良さはどうしようもないが、いつもとは違うアングルを楽しむことは出来た」とアルバムにコメントがある。 |
山鼻西線
山鼻線と山鼻西線に囲まれたあたりは、開拓使ではなく、本願寺によって入植開墾が進んだ地域であるため、他の路地とはやや角度の異なった町並みであり、路地の幅も独特だ。下町の雰囲気を強く持つ地域であり、今なお市電が残る地域でもある。藻岩山が見える古い路地割りにも、市電の風景はよく映える。また、山鼻西線の南方向には、藻岩山が良く見える(写真92、94、101、112)。 |
一条線
豊平線
西4丁目線