札沼線 車窓風景 動画 (mp4ファイル)
札沼線は、管理人にとって、ことのほか思い出深い路線です。両親に連れられて、札沼線をゆく貨物列車を見に行く日課は、今でも記憶の端に残っており、あるいは管理人にとって、たどることのできる最も古い記憶は、そんな札沼線の風景であると思います。 しかし、そんな札沼線の北海道医療大学-新十津川間が、2020年の5月に廃止となることになってしまいました。小さいころ、両親に連れらて訪れた鶴沼公園や樺戸監獄。そして、現在に至るまで、私はこの「故郷の線路」を特別に近しいものに感じてきました。 廃止となる区間は、空知地方の稲作地帯が中心であり、北海道の路線の中では、特に風光明媚といったわけではありません。しかし、東に広がる石狩平野、西に広がる丘陵地帯、そして末端部でその雄姿を見せる増毛山地の山並みは、代えがたい魅力であり、私はこれまでたびたびこの路線に乗ってきました。 これらの動画は、そんな札沼線での小さな旅の際に録画したものです。素朴ながら愛すべき風景と思っています。また、撮影時、終着の新十津川では、1日に発着する列車が1往復ということもあり、毎日のように町民の方による歓待が行われていました。その風景を見て、やはり鉄道というのは、単体の収支のみで計ることのできない地域インフラとして高い価値を持つものだと実感しました。 管理人もそうですが、多くの鉄道ファンの中には、鉄道で訪問した町で、消費活動を積極的にしようという気持ちがあります。それは愛すべき鉄道を維持している地域へのお礼であり、鉄道が存続することを願う気持ちに起因するものであるでしょう。つまり、鉄道というインフラは、地域に、優良な交流人口を提供するものなのです。 訪問日現在、1日1往復の新十津川町にとって、札沼線が廃止となっても、ただちに生活の利便が窮するということはないでしょう。しかし、鉄道を媒体とした旅人との交流は、自然とその勢いを失わざるを得ないでしょう。例え地域の人が直接利用する機会が限られたものであったとしても、その場合でさえ、鉄道は地域の人にとって、欠くべきではない、大切な資産なのです。 そのことに、多くの人が気づいてくれることを祈っています。 |