スタンフォード
歌曲集「海の歌」 「艦隊の歌」 艦隊のバラード ヒコックス指揮 BBCウェールズ・ナショナル管弦楽団 合唱団 Br: フィンリー レビュー日:2009.11.14 |
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★★★★☆ イギリス意外ではあまり知られていない作曲家スタンフォードの声楽曲
チャールズ・スタンフォード(Charles Stanford 1852-1924)はアイルランドのダブリン出身の作曲家。イギリスで勉強したのちドイツでライネッケ(Reinecke)やキール(Kiel)に作曲を学んでいる。1883年に王立大学の教授となり附属管弦楽団の指揮者に就任した。本盤は、歌曲集「海の歌」、「艦隊の歌」、艦隊のバラードの管弦楽伴奏付きの歌曲と声楽曲を収録。演奏はヒコックス指揮BBCウェールズ・ナショナル管弦楽団、同合唱団、バリトン独唱はジェラルド・フィンリー。2005年の録音。 スタンフォードの作品は、イギリス以外ではあまりしられていない。しかしロマン的なスタイルを持った創造的な作曲家で、幅広いジャンルに残された作品には積極的にアイルランドやイギリスの民謡の要素を取り入れている。 ここに収録された作品はオーケストラの管弦楽書法はドイツ伝統的なものであり、明快なわかりやすさがある。合唱曲は明朗な陽性のキャラクターを持っていて、壮大な歌い上げを目的としているようだ。陰影が深いわけではなく、かといって平板なわけでもない。音色が流麗であるため、聴き易い一方で、深く響く旋律があるというわけでもないので、一般的な人気曲とはなり難いとも思う。 管弦楽書法が導く古典的なシンプルさと、合唱の持つドラマティックな要素の融合性により、引き立つ要素が多いと感じられるのは「艦隊の歌」である。ただあまりにも楽天的な雰囲気が、聴いた感じの音楽の質を安っぽくさせている一面もあり、やはりドイツ音楽のフアンにはちょっと薄味に思える。 ヒコックスの知的な指揮は音楽の方向性を的確に示していて、燃焼度も高く感じられる。 |