サッリネン
交響曲 第2番 第6番「ニュージーランド日記から」 日の出のセレナード カム指揮 マルメ交響楽団 レビュー日:2005.1.15 |
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★★★★☆ サッリネンの交響曲世界の紹介盤
アウリス・サッリネン(Aulis Heikki Sallinen 1935-)は、フィンランドのサルミで生まれた作曲家。出世作である弦楽四重奏曲第3番により世に知られるようになった。地元では器楽曲同様、歌劇作曲家としても高く評価されている。 このアルバムには交響曲第2番,op29(パーカッション・ソロと管弦楽のための) 交響曲第6番,op65 サンライズ・セレナーデ, op63 の3曲が収録されている。演奏は、オッコ・カム指揮のマルメ交響楽団。パーカッションはゲルト・モーテンセン。 交響曲第2番は「交響的対話」の副題もあるようだ。実際はパーカッション協奏曲といってもいい内容で、パーカッションが大活躍しており、このジャンルの重要な作品といえそうだ。やはり旋律を楽しむと言うより、短時間の音の構造や構築、色彩を楽しむ楽曲と言える。武満徹的な色彩もあり、面白い作品だ。 交響曲第6番は「ニュージーランドの日記から」というサブタイトルがついている。これは作曲者の1989年のニュージーランドへの旅行に際してインスピレーションを膨らませた作品のようだ。全部で4楽章からなり、それぞれの楽章にまた副題がついている。第1楽章「音の島、島の音」は金管により繰り返される警句的音型が特徴である。(ちょっとヴァレーズを思わせる)その合間に弦やピッチカートで美しい経句が挟まれる。第2楽章「大気、雨」はスケルツォ的性格だが、そのうつろいは早い。第3楽章「Kyeburn Diggings」これは作曲者にとってもっとも印象的だったニュージーランドの地名。Kyeburnはクライストチャーチより南のフィヨルド、カンタベリーのあたりだろう。回想シーンのような音楽だ。第4楽章はフィナーレ。ティンパニソロから始められるエネルギッシュな音楽で、中間部には印象的な金管のファンファーレが聴かれるが、そのご静かにエンディングを迎える。 |