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ルジッカ



現代音楽

孤島 日没 形と解体 虫の知らせ
vn: テツラフ アシュケナージ指揮 ベルリン・ドイツ管弦楽団 ルジッカ指揮 フランクフルト放送交響楽団 NDR合唱団 シュレースヴィッヒ・ホルシュタイン祝祭管弦楽

レビュー日:2008.11.15
★★★★☆ ドイツの現代音楽の一つの脈流ですね
 ペーター・ルジッカ(Peter Ruzicka 1948- )はドイツ、デュッセルドルフ生まれの作曲家で指揮者。指揮者として来日もしている。ヘンツェと共に学び、ヘンツェやシュレーカーの作品を録音している。このアルバムにはルジッカの作品が4つ収録されている。タイトルがいずれもドイツ語なので、適当に和訳(すいません)しながら紹介させていただきます。
 1曲目は「孤島」としておく。独奏ヴァイオリンと管弦楽のための24分以上の作品で、大曲だ。ヴァイオリン独奏がテツラフ、アシュケナージ指揮ベルリン・ドイツ管弦楽団の演奏。なかなか不気味でミステリアスな作品である。バックの管弦楽に添えられる小規模な合唱による「効果音」が独特で印象に残る。テツラフのヴァイオリンが圧巻のテクニックで、快刀乱麻を断つキレがある。
 2曲目は「日没」だろうか。バリトン独奏と管弦楽のための作品。バリトンはアンドレアス・シュミットでルジッカ指揮のバイエルン放送交響楽団。ニーチェの6つの断章からなる作品で、現代的な書法に古典的な和声を組み込んだ斬新な音色。
 3曲目は「形と解体」。このタイトルはまあ的を得ているだろう。北ドイツ放送交響楽団合唱団による演奏。合唱曲。7つの断章からなる陰鬱な作風だ。
 最後の曲は管弦楽曲「虫のしらせ」・・・と題しておこう。管弦楽曲で、ルジッカ指揮シュレースヴィッヒ・ホルシュタイン音楽祭管弦楽団の演奏。これもいわゆる現代音楽で、微細なパーツからなる散文的な音楽だ。録音は1997年から98年にかけて行われており、今のドイツの現代音楽の一つの脈流を知ることができるだろう。


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