マクミラン
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マニフィカト シメオンの頌歌 復活賛歌 マイリ ギャラント・ウィーヴァー リアノンの鳥 マクミラン指揮 BBCフィルハーモニー管弦楽団 org: スコット S: フィヴィオール モリソン ハムレス レビュー日:2006.10.21 |
★★★★☆ スコットランドの現代音楽家、マクミランの自作自演集
スコットランドの作曲家ジェームス・マクミラン(James MacMillian 1959-)による自作自演集である。収録曲は、(1)マニフィカト (2)シメオンの頌歌 (3)復活賛歌 (4)マイリ (5)ギャラント・ウィーヴァー (6)リアノンの鳥 の6曲。演奏はマクミラン指揮のBBCフィル オルガンはジョナサン・スコット (5)曲ではソプラノ奏者にマーガレット・フィヴィオール、アマンダ・モリソン、ミカエラ・ハムレスが加わる。 「イゾベル・ゴーディの告白」などで知名度の広まったマクミランの音楽は割と登場機会が多い。スコットランド議会召集の際のファンファーレもそうだ。マクミランの音楽の特徴はカラフルなオーケストレーションとスコットランド伝統音楽の引用にあり、それらが彼の曲に親しみ易さを与える。同時代のアカデミックなスタイルの作曲家よりわかりやすい、というのが一般的だ。2000年から10年間の契約でBBCフィルの委嘱作曲家ともなっている。(1)~(3)の3曲はオルガンが極めて重要な位置を占めていて、静との対比に力点がある。合唱を含む曲では聖書のテクストを用いているが、現代社会への警鐘といった作曲者の社会的メッセージを帯びている。(3)では冒頭の静寂から管楽器の印象的で断片的なモチーフの連続がやがてポリフォニックに成長する。(4)は声楽の退廃的な雰囲気が暗示的だ。(6)のタイトル中の「リアノン」という名詞は、ウェ-ルズの古事物語「プウィルとリアノン」からとられている。この作品を作曲者自らは「神秘的な合唱によるコーダを伴う、管弦楽のためのドラマティックな協奏曲」と呼んだそうで、存在感のある作品となっている。 |