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ゴドフスキー



器楽曲

芸術家の生涯による交響的変容(原曲:J.シュトラウス) 24の性格的小品「仮面舞踏会」より 第2番「パステル」 第14番「フランス」 第22番「ウィーン風」 第24番「ポートレート」 こうもりの主題による交響的変容(原曲:J.シュトラウス) 30の雰囲気と光景「トリアコンタメロン」より 第4番「ランデヴー」 第11番「懐かしきウィーン」 第13番「テルプシコーリアン・ヴィンドボナ」 第21番「サロン」 第25番「思い出」 酒・女・歌による交響的変容(原曲:J.シュトラウス) 最後のワルツ(原曲:オスカー・シュトラウス)
p: アムラン

レビュー日:2008.10.12
★★★★★ ちょっと久しぶりのアムラン得意のゴドフスキー
 レオポルド・ゴドフスキー(Leopold Godowsky 1870-1938)はリトアニア出身のピアニストだった。サンサーンスに師事し、フィラデルフィア音楽院、シカゴ音楽院のピアノ科の教授を経た後、ブゾーニの後任として1909年からウィーン音楽院のピアノ科主任となる。ショパンの演奏には定評があったそうだが、様々な編曲モノを中心としたピアノ作品を残した。至難な技巧を必要とするこれらの作品は、ブゾーニとも共通点を感じる。中でも有名なのが「ショパンの練習曲に基づく53の練習曲」だ。
 類まれな技巧派ピアニスト、アムランはゴドフスキーの作品を積極的に録音していて、アルカン作品とともにこのピアニストを象徴する活動になっている。今回はウィンナ・ワルツの編曲ものとゴドフスキーのオリジナル作品を集めて収録したアルバム。収録曲の詳細を書いておく。
1) 芸術家の生涯による交響的変容(原曲:J.シュトラウス)
2) 24の性格的小品「仮面舞踏会」より 第2番「パステル」 第14番「フランス」 第22番「ウィーン風」 第24番「ポートレート」
3) こうもりの主題による交響的変容(原曲:J.シュトラウス)
4) 30の雰囲気と光景「トリアコンタメロン」より 第4番「ランデヴー」 第11番「懐かしきウィーン」 第13番「テルプシコーリアン・ヴィンドボナ」 第21番「サロン」 第25番「思い出」
5) 酒・女・歌による交響的変容(原曲:J.シュトラウス)
6) 最後のワルツ(原曲:オスカー・シュトラウス)
 特に編曲モノの圧巻の技巧が聴き応え抜群。「こうもりの主題による交響的変容」では様々な豪壮でリズミックな旋律が鍵盤狭しと駆け巡るが、一切の音をないがしろにしないクリアなタッチで明晰そのもの。「芸術家の生涯による交響的変容」はとにかく演奏するのがめちゃくちゃに難しい曲として部分的に高名だが、これもアムランならではの胸のすく演奏。聴いていて怪しい箇所もなく、音楽の流れを損なうような箇所もない。また、最近のアムランはちょっと洒脱なカンタービレを加えるような味を増やしており、それが原曲のワルツの典雅さを活き活きと伝えるのに大いに役立っている。
 いずれの曲も現時点で「これ以上」というのはなかなか難しいと思える内容だ。


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