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ベルワルド



交響曲

交響曲 第1番「セリューズ」 第2番「カプリシューズ」 交響詩「ノルウェーの山の物語」
ダヴスゴー指揮 デンマーク国立放送交響楽団

レビュー日:2005.5.4
★★★★★ 現時点でベルワルドの交響曲として理想的な録音
 ダヴスゴー指揮 デンマーク国立放送交響楽団のフランツ・ベルワルドの交響曲集の第2弾で、今回は交響曲第1番「セリューズ」 第2番「カプリシューズ」 交響詩「ノルウェーの山の物語」が収録された。録音は2003年から04年にかけて行われている。
 スウェーデンの作曲家、フランツ・アドルフ・ベルワルド(1796-1868)の交響曲が注目されるようになったのもCD時代から。最近では録音も増えて、美しくも優しい音楽に魅了される人が増えているようだ。セリューズとは「まじめな」という意味。彼の交響曲には形容詞風のタイトルがついていて、以下第2番「カプリシューズ」(気まぐれな)、第3番「サンギュリエール」(風変わりな)、第4番「ナイーヴ」(繊細な)となる。最も有名なのが第3番だろうか。
 作曲家が存命中に唯一実演に立ち会えたのがここに収録されている第1交響曲である。この第1番はほの暗い情熱の秘められた作品であり、ロマン派の夜明けを感じる。第2番はタイトル通りいソナタ形式もゆるい。情感ただよう第2楽章がたいへんいい味を出した見事な音楽となっている。交響詩「ノルウェーの山の物語」は初演から好評だったそうで、力強い楽曲で、日本人の琴線に触れるようなメロディーも感じられる。全般にメンデルスゾーン的な風雅な雰囲気を持っており、聴くさい際の抵抗感のようなものは感じられない。
 ダウスゴーの演奏は、曲の魅力を十分に引き出している。まずは現時点でベルワルドの交響曲として理想的な録音といえる。


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