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アンダーソン



管弦楽曲

ハーバード・スケッチ 2つの音符によるメロディ そりすべり タイプライター トランペット吹きの子守唄 マザーズ・ホイッスラー ベニーホイッスル・ソング ブリンク・ブリンク・ブランク ナクドナルドじいさんは農場を持っていた 他
スラトキン指揮 BBCコンサート・オーケストラ trp: ムーア タイプライター: マロイ

レビュー日:2009.4.19
★★★★☆ 往年の軽音楽のスタイルがよく伝わります
 リロイ・アンダーソン(Leroy Anderson 1908 - 1975)はコネチカット州ウッドベリー出身のセミ・クラシックの大家。「セミ・クラシック」というのは、日本語にすれば「軽音楽」に近い。クラシックのようなオーケストラと、音楽理論をベースにしながらも、カントリー風の旋律で、遊びの音色を多彩に併せ持った、純粋に楽しむだけの音楽である。もちろん、これを他のクラシック音楽と同様の価値観で評価することはできない。しかし、映画音楽や環境音楽の需要が増す中で、その存在場所は広がった。
 ナクソスレーベルがスラットキンとBBCコンサート・オーケストラという一流の音楽家を起用してアンダーソンの楽曲の作品を次々にリリースしているのは、なんだか業務用にまで広い用途がありそうである。当盤には、聴けば「ああ、あの曲ってこれだったのか」というような楽曲が並んでおり、そういったいみで、日常のプチ謎がいくつか解ける企画盤とも言える。
 中でも本盤には「タイプライター(Typewriter)」や「シンコペーテッド・クロック(Syncopated Clock)」「そり滑り(Sleigh Ride)」などなどとりわけ親しまれている旋律を持った曲が収録されている。犬の鳴き声が入ったり、おもちゃの楽器がなったり、他にも日常的な効果音の挿入と、いかにも当時の軽音楽だな、という風情が楽しめる。ちょっと古臭い映画を気楽にながし見ているような感じだろうか。また、ガーシュウィンやウィルソン、ビゼーといった作曲家の編曲ものも楽しめる。私自身、そういう音楽が好みかと言うと、そうでもないのだが、良心的な演奏と価格設定で好感の持てるものだ。


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