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アディンセル



管弦楽曲

「チップス先生さようなら」組曲  ワルソー・コンチェルト 組曲「陽気な幽霊」 「黒ばら」組曲 「クリスマス・キャロル」組曲 「トム・ブラウンの学生時代」序曲 「あっぱれクライトン」のための音楽より 「オウト・オブ・ザ・クラウズ」のための音楽より
ガンバ指揮 BBCフィルハーモニー管弦楽団 チータム室内合唱団 マンチェスター大聖堂合唱団 p: ロスコー

レビュー日:2007.10.16
★★★★☆ アディンセルの映画音楽を一枚に集めたアルバム
 リチャード・アディンセル(Richard Addinsell 1904-1977)は、イギリスの作曲家。1941年の映画「危険な月光」(Dangerous Moonlight)のために書いた「ワルソー・コンチェルト」が有名で、この曲はクラシック音楽のレパートリーでも、わりとよく演奏されたり、CDに収録されたりする。それでも、この作曲家の作品だけのアルバムというのは、そう多くはないだろう。そこはシャンドスでさすがに目の付け所が違う。
 今回はシャンドス・レーベルでとくに映画音楽に功績のあった作曲家の作品を続々と録音しているラモン・ガンバ指揮のBBCフィルによる録音で、「チップス先生さようなら」組曲、「ワルソー・コンチェルト」、組曲「陽気な幽霊」、「黒ばら」組曲、「クリスマス・キャロル」組曲、「トム・ブラウンの学生時代」序曲、「あっぱれクライトン」のための音楽より、「オウト・オブ・ザ・クラウズ」のための音楽より、となっている。ピアノはマーティン・ロスコー、チータム室内合唱団とマンチェスター大聖堂合唱団が合唱パートを担っている。いずれも映画のためにかかれた音楽だが、映画の中には非公開に終わったものも多い。
 いずれも映画音楽らしい大仰さを持ったもので、コアなクラシックフアンからは、あるいは敬遠されるジャンルかもしれないが、これはこれで魅力がある。中でもやはり「ワルソー・コンチェルト」は名曲であろう。圧倒的で情熱的な冒頭、壮麗なピアノの和音連打による冒頭から始まる楽曲はラフマニノフをも思わせる。
 また「クリスマス・キャロル」では「聖しこの夜」の旋律が用いられ、ロマンティックでムーディーな楽想を盛り上げている。全般にそれほど強い個性は感じないけれど、軽い気持ちで聞ける音楽ばかりで、なかなか楽しいアルバムに仕上がっていると思う。収録時間も79分を超えていて、お得感もあります。


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